急性・重症ケア専門看護師



急性・重症ケア専門看護師
救命救急センターのICUに所属していた若手時代に、エビデンスを基にしたケア介入に関して当時のクリティカルケア領域の認定看護師と専門看護師から教育を受け、看護介入によって患者の状態が大きく改善する体験をしました。認定看護師や専門看護師の教育的な関わりが私の看護師としての成長のきっかけであり、専門看護師や認定看護師のような専門的な看護師になり多くのスタッフの教育を支援したいと思っておりました。
また当時HCUで数ヶ月ほどICUを退室した患者の看護をしました。その患者は入院前まで社会での役割を持ちながら生活をしておりましたが、ICUでの治療を通じて身体・認知・精神的に障害を被り社会復帰に影響を受けた(ICU入室中または退室後に生じる身体・認知・精神障害のことをPost Intensive Care Syndrome: PICSという )事例でした。その事例からICUでの看護がICU退室後患者のQOLへ大きな影響を及ぼすことを学びました。そしてもっとPICSについて専門的に学びたいと思いました。以上の動機が関連しCNSを目指すきっかけとなりました。
専門看護師としてのやりがい
専門看護師としてのやりがいは「エビデンスや意図をもった看護実践をすること」です。看護は治療と異なり、介入による結果が分かりにくい側面がありますが、ケアのエビデンスや患者と関わる意図を備えて看護をすることで実施した看護の結果を評価しやすくなります。実施した看護の結果が明らかになり、患者が回復することでやりがいへとつながります。またスタッフの看護実践のエビデンスや意図を見つけそのスタッフへフィードバックすることで、スタッフのやりがいや私のやりがいにつながります。
院内外でどのような活動を行っているか
普段は主に院内の最重症病床であるHCUで実践をしております。HCUには呼吸器内科病棟が併設しているため、病棟スタッフとともに急性期の患者やポストクリティカル期の患者とその家族が危機を乗り越えたり、重症化の進展を抑えることができるように支援や調整をしております。これらの実践を基盤として患者の状態変化をいち早く察知し早急に対応できるようにスタッフの相談に応じております。他には全人的に患者や家族を捉え、意志や思いを尊重した治療方針が決定できるように意思決定の支援を行っています。
院外では専門知識やスキルの普及のため救急蘇生コースや外傷コース、重症患者管理の初期対応を学ぶコースのインストラクターやクリティカルケアに関する講習会の講師をしております。また専門看護師の役割遂行について洗練するために学会発表などを行っております。
なぜ鋼管病院を選んだか
CNSを目指したきっかけであるPICSについて関わることができるからです。当院は1つの病棟内で超急性期からポストクリティカル期までの患者の看護を行うことができるのが魅力です。集中治療中から退室後の状況を想定して看護を行い、患者の回復までの過程を1つの病棟で退院まで支援できます。PICSに関する看護に興味がある方はぜひ当院へいらしてください。