3北病棟師長 Yさん

先輩看護師のとっておき看護
師長という「役割」で、現場に寄り添う
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2025.06.12

3北病棟師長 Yさん 3北病棟

私のとっておきエピソードは、病棟スタッフが、平日は入退院が多く繁忙であるにも関わらず、週末や休みの日など空いている時間を見つけて、普段できないケアに目を向けて提供しようとしているスタッフ達の姿そのものです。

3北病棟は混合外科病棟であり、複数の診療科を診ているため、非常に入退院が多く、手術も多い部署です。重症患者は少ないが、混合病棟を目指す看護師も少なく、スタッフの人数は少ないため、非常に繁忙な日常を過ごしています。

そのような中で私が考える急性期病棟の在り方としては、繁忙な中ででも、患者に目を向け、患者に必要なケアは何か、どのようにすればケアを提供できるのかを考え、それぞれが実践できるよう心掛けることが重要であると感じています。

10年前の自分を振り返ってみると、自分自身も日々の業務に追われ、日々の業務をこなすことに明け暮れていました。その様な中でも、様々な経験を通して、少しずつ自身の考えが変化してきたことを振り返りたいと思います。

看護とは『看て護る』と書きますが、それを実践するためには、経験の差が大きく左右すると実感しています。私は気になることがあった時に、若手スタッフが相談しやすい雰囲気を作ること、また実際に自分自身でも一緒に見に行き話を聞くことで、若手スタッフは自分の判断が正しければ安心すると考えています。仮に判断が違ったとしても、違う理由をきちんと伝えることに繋がる機会と考え、そのような場面を大切にしたいと思います。

3北病棟では、経験豊かな看護師が身をもって行動で示すことで、その姿を見た若手スタッフの中にも少しずつ患者に目を向け、関心をもって患者にケアを提供しようという光景が増えてきたと感じています。当院は急性期に特化した病院を目指しています。業務という意味では、日々患者の入れ替わりの多さからも、ともするとルーチンワークになりがちです。そのような中でも、空いている時間に患者へ目を向け、有効に活用しようというスタッフの思いは大切にしたいと思っています。

私自身の傾向として、人に指示するよりも、自分の姿を見せることで学ばせるというスタンスの方が強く、それは師長となった現在でも同じです。師長という『立場』が重要なのではなく、師長という『役割』を意識してスタッフと対等な立場で関わることを心がけています。だからこそ、忙しくて大変な日常であっても、患者と向き合おうというスタッフの心は大切にしていきたいです。

急性期病棟の在り方については、日々変化する医療情勢で考えさせられることが多々あります。スタッフとしては患者へもっと寄り添ってあげたいと感じる一方で、繁忙のあまりに業務的にならざるを得ない状況です。そのような中だからこそ、患者へ目を向けることの大切さを忘れてはいけないと考えています。『看て護る』の本当の意味を忘れない事こそ、私が大切にしている事であり、これからも身をもって伝えていきたいと考え、日々を送っています。